3月31日放送の『中山泰秀のやすトラダムス』(Kiss FM KOBEで毎週日曜24:00-25:00放送)では、安倍晋三首相の対アジア外交戦略、関西3空港問題、1票の格差是正などについて中山氏が解説した。

中国の周辺国を次々と訪問する安倍首相の狙いは?

安倍首相がモンゴルを訪問

モンゴルのウランバートルで会談前に握手する安倍首相(左)とアルタンホヤグ首相〔AFPBB News

中山 モンゴルを訪問した安倍晋三首相は、30日にノロブ・アルタンホヤグ首相と会談し、モンゴルにおける資源開発で協力することなどを確認したと報じられました。

 また、双方の隣国である中国を念頭に、米国を含めた3カ国で政治や安全保障など幅広い分野の懸案を話し合う事務レベルの協議を立ち上げることで一致したそうです。

 中国の北側に位置するモンゴルは、地政学的にも中国と切っても切れない関係です。

 今、中国が軍事力の増強など不透明さを増すなかで、日本が共通の法的価値観や政治的イデオロギーを持つこうした自由民主主義国と手を結ぶことは、安全保障上、そして資源外交上において大きな意味を持つと思います。

 安倍首相は首相就任後、ベトナム、タイ、インドネシア、そして今回のモンゴルと、中国を取り巻く国々を次々に訪問していますが、日本のリーダーがアジアの安全保障に対して責任ある態度を示すことはとても重要です。

 また、モンゴルには豊富にあって日本に少ないのが資源ですが、日本にはそのぶん資源を収益化できる技術力の高さやノウハウがあります。

 会談で両首脳は2国間のEPA(経済連携協定)の締結に向けた協議を加速することや、石炭をはじめとするモンゴルにおける資源開発で協力することを確認したそうですが、今後もしっかりと両国関係の強化につなげてほしいと思います。

関西3空港のうち、防災・防衛拠点となり得るのは伊丹空港

 海外からはこんなニュースが届いています。フランスの観光名所エッフェル塔で30日、爆発物を仕掛けたとする電話が入り、観光客らが一時避難する騒ぎがありました。結局、爆発物は見つかりませんでしたが、イスラム過激派のテロを警戒する最中だっただけに現場は一時騒然としたとのことです。

 イスラム過激派といえば、今年1月に起きたアルジェリア人質拘束事件が記憶に新しいところですが、今回の事件は我々日本人も対岸の火事では済まされないと思います。