グローバル人材の育成が急務とされる中、世界の有力大学の入学資格として認められる「国際バカロレア(IB)」が最近注目を集め始め、教育過程への導入を検討する学校が増えてきています。
海外の大学への進学実績を増やして帰国子女や優秀な生徒の確保を狙ったり、探究型の学習スタイルが思考力や表現力、創造力などの育成に有効であるとの期待があります。
昨年文部科学省は、5年間で国際バカロレアを取得できる(またはそれに準じた教育を行う)認定校を現在の24校から200校程度まで増やす目標を掲げ、京都の堀川高校などモデル校を5つ指定しました。
教育課程導入が検討される国際バカロレア(IB)とは
IBとは、スイスのジュネーブに本部を置く国際バカロレア機構が定めた教育課程です。同機構が認定した学校を修了し、統一試験に合格すれば国際的に認められる大学入学資格を得られ、海外の大学へ直接入学したり、入試を受けることができるようになります。
そのレベルの高さやバランスの取れた教育は、イギリスのオックスフォード大学やケンブリッジ大学、アメリカのハーバード大学やマサチューセッツ工科大学などをはじめとした超名門校でも認められています。
日本の高校でIBの認定校が増えれば、海外大学への進学や海外留学が増加することは確実ですが、認定校になるには、すべての授業を英語かフランス語、スペイン語で行うことが原則となっています。
現在文科省では、カリキュラムの一部を日本語でも受けられるよう同機構と調整し、認定校の増加を図っています。
世界での認定校は144カ国・地域で3538校あります(2012年12月時点)。日本には現在24校の認定校があり、そのうち18校がインターナショナルスクール校などで、一条校(一般の学校)は6校*に留まっていますが、ここ3~4年で認定が相次いでいます(詳細は、文科省「国際バカロレアの認定校」を参照)
>*加藤学園暁秀中学・高校、玉川学園中学部・高等部、AICJ中学・高等学校、立命館宇治中学・高校、東京学芸大学附属国際中等教育学校、ぐんま国際アカデミー(IB認定順)