先週、米グーグルが、長らく人気を博してきたウェブのサービス「グーグル・リーダー(Google Reader)」を終了させると発表して、波紋が広がった。
これは、ネット上のニュース記事の見出しとリンクを一覧表示するRSSリーダーの機能をウェブブラウザーで利用できるサービスで、2005年の開始以来愛用者が多いのだが、グーグルはこれを今年7月1日をもって終了すると発表した。
グーグルの説明によるとその理由は「選択と集中」。同社は主力事業に注力することを目的にサービスを整理統合する“大掃除”を進めており、これまで70に及ぶサービスを廃止した。グーグルも今回のリーダーに愛用者がいることを認識しているが、利用者数が減少していることを理由に終了を決めたという。
この告知の直後から請願活動のウェブサイトにサービスの存続を求める署名運動のページが開設され、翌日には7万以上の署名が集まった。
署名は米国のほか、英国やスペイン、日本、中国など世界中から集まっており、この運動は今後も広がる様相を呈しているのだが、海外メディアの記事に目を通すと、残念ながら決定が覆ることはなさそうだ。
Androidの始祖、ルービン氏が異動
実はグーグルは今回の告知と同じ日に、これまでモバイル基本ソフト(OS)「アンドロイド(Android)」部門を率いてきたアンディ・ルービン氏が別の役職に就くと発表した。アンドロイドは今や世界で60社以上のメーカーが採用するOSで、グーグルの主力事業の1つになっているが、ルービン氏はその始祖と言われる人物だ。
というのもアンドロイドはもともとこのルービン氏が設立した同名の会社が開発したOS。これをグーグルが2005年に買収し、それ以来アンドロイドはルービン氏の指揮の下、グーグルで開発が進められてきた。大物幹部の人事異動という事の大きさは、グーグルのラリー・ペイジ最高経営責任者(CEO)自らが発表を行ったということからもうかがえる。