米カリフォルニア州シリコンバレーで働くエンジニアたちによる大麻使用が最近、拡大している。米メディアにも取り上げられ、大麻汚染は誰もが知る大手のIT企業の社員にまで拡大している。
同州が医療用として大麻の使用を認可したのは1996年のことだ。リベラルな州らしく、全米で最初の認可州だった。もちろん医師の承認書が必要になる。ガン患者だけでなく神経痛や偏頭痛の患者など、痛みを和らげたり、吐き気を抑えたりと、大麻吸引の効果は医学的に認められている。
合法なのは全米18州と首都ワシントンDC
薬理学を駆使して製造された鎮痛剤ではなく、オーガニックな鎮痛剤としての役割が支持を集めている。だが、医療大麻が入手できるのは同州を含めて全米18州と首都ワシントンDCだけだ。残りの32州では依然として認可していない。
昨年11月の大統領選挙では多くの州が独自の案件を決める州民投票を行い、コロラド州と西海岸のワシントン州の2州が医療用としてではなく、タバコと同じような嗜好品としての大麻使用を許可した。いつでも「ハイになりたい」と州民が望み、州政府が認めたのである。
ただ現在でも医学者の間では大麻吸引についての賛否両論があり、研究は続けられている。と言うのも、大麻に含まれる化学物質カンナビノイドが様々な薬理作用を引き起こすので、ドアを開け放つ形で大麻吸引を認可すべきか意見が分かれるのだ。
タバコよりも常習性が少ないと言われるが、日本を含めた大多数の国は大麻を危険薬物と扱う。国際的なスポーツの場でも、ドーピング防止規程で大麻を禁止薬物に指定している。
英国では薬物乱用防止法の危険度Bに分類しているし、米連邦政府も相変わらず大麻を違法薬物と位置づけている。オバマ大統領も制限を強化する姿勢を打ち出している。
ただ、大麻規制については州法が連邦法よりも優先されるため、州政府が認可すれば前出した2州のように、使用が可能になっている。
最近の問題は、冒頭で述べたハイテク企業が集中するシリコンバレーのあるサンノゼ市などで大麻使用が増えていることだ。同市にはいま106カ所の大麻取り扱い薬局がある。