米IDCが先週公表した世界の「スマートコネクテッドデバイス」市場に関する調査結果が話題になっている。このスマートコネクテッドデバイスとは、IDCが定義したインターネット接続機器の総称で、パソコン、タブレット端末、スマートフォンを合わせた市場を示している。
IDCよると、昨年1年間のスマートコネクテッドデバイスの総出荷台数は12億110万台で、1年前から29.1%増加した。内訳を見ると、ノートパソコンが2億200万台、デスクトップパソコンが1億4840万台。タブレットが1億2830万台、そしてスマートフォンが7億2240万台だ。
タブレットは約1.8倍で成長、PCは前年割れ
このうちスマートフォンの台数がパソコンを大きく上回っていることはもはや驚きではないが、タブレットがデスクトップパソコンの台数に迫っており、今年中にもノートパソコンをも上回る可能性が出てきたと話題になっている。
米ブルームバーグはIDCこの調査結果を受け、「タブレットがジワジワとパソコンを葬りつつある根拠がまだ出てきた」などとと報じている。
というのも、タブレット端末の出荷台数が前年から78.4%増と高い水準で伸びているからだ。これに対しノートパソコンは3.4%減、デスクトップは4.1%減といずれも前年割れ。タブレットが前年と同じ伸び率で推移すれば出荷台数は今年2億2900万台となり、デスクトップとノートを上回ることになる。
パソコンの出荷台数で世界最大の米ヒューレット・パッカード(HP)は先週決算を発表し、減収減益になったと報告していたが、市場全体がこの傾向で進めば、今年中にも業界勢力図に大きな変化が起きそうだ。
HPは8.5%減、デルは12.9%減
IDCの調査を詳しく見ると、昨年最も多くスマートコネクテッドデバイスを出荷したのは韓国サムスン電子で、同社の台数は2億5000万台だった。サムスンは一昨年は2位だったが、昨年はスマートフォンが急増したことが寄与し、トップに浮上した。
2位に後退したのは米アップルで、同社の台数は2億1870万台だ。ただしサムスンの市場シェアは20.8%、アップルは18.2%と両社は拮抗している。アップルは昨年の1~3月期に首位だったが、その後の3四半期はサムスンに抜かれた。