米アマゾン・ドットコムが29日に発表した昨年10~12月期の決算は、売上高が212億6800万ドルとなり、1年前に比べ22%増加した。

 一方で純利益は同45%減の9700万ドルと大きく落ち込んだ。また営業利益は同56%増の4億500万ドルで、事前予想値の上限である3億1000万ドルを上回った。

投資家が注目したのは利益率

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投資家はアマゾン、アップル両社の決算内容に対照的な反応を見せた〔AFPBB News

 悲喜こもごものような決算発表だったが、これを受け、アマゾンの株価は同日の時間外取引で一時10%近く上昇した。

 米ウォールストリート・ジャーナルや米ニューヨーク・タイムズなどのメディアによると、今回投資家が注目したのは最終利益でも膨らんだ営業経費でもなく、利益率だ。

 例えば10~12月期の粗利益率は1年前の20.7%から24.1%に上昇し、営業利益率も1.5%から1.9%へとわずかながら改善した。

 これに先立ち米アップルが決算発表で、アイフォーンの販売台数が過去最高となり、売上高も記録を更新したと報告したが、利益率の低下を理由に失望が広がり同社株は売られた。

 今回のアマゾンの決算はこれとは対照的。投資家が日ごろ見ているのは、これまでの実績ではなく、将来の成長性ということがよく分かる結果となった。

まだまだ続くベゾスCEOの先行投資

 そしてアマゾンの利益率が上昇したのは、技術開発や設備投資など同社がこれまで進めてきた施策の成果と言われている。

 ジェフ・ベゾス最高経営責任者(CEO)によると、販売を開始してから5年が経過した同社の電子書籍事業は、数十億ドル規模に成長しており、昨年1年間では約70%伸びた。一方、印刷書籍の売上高は年末商戦の12月でも5%増にとどまり、同社の過去17年の書籍販売の歴史で最も低い成長率となった。