インターネットを利用して様々な課目を習得する「eラーニング」は、10年以上前から活発化している。すでに大きな利益を出しているサイトも少なくない。
ネット業界では長年、教育分野こそが最大にして最後の宝の山であるとの見方があった。そうしたなか、昨年から急成長を遂げている教育オンラインのサイトがある。
世界196カ国から230万人以上が参加
「コーセラ(Coursera)」だ。すでに日本のメディアでも取り上げられているが、あえてその伸張ぶりに注目してみたい。
2012年4月のサイト起ち上げ以来、今月14日現在参加者は世界196カ国から230万人を超えた。参加者がスタートから4カ月で100万人を突破したペースは、フェイスブックやツイッターを超えている。なにしろ現在でも1週間に7万人の新規参加者が加わっている。
コーセラとはいったいどんなオンライン企業なのか。そして急伸する理由と今後の課題は何なのか。
多くの若者は、ネット上で有名大学の授業を受講できたらどんなにいいかと思う。しかも履修後に修了証を発行してもらえたら申し分ない。さらに無料であれば、これ以上望むものはない。コーセラはすべてを兼ね備えている。
しかも起業者は米スタンフォード大学でコンピューターサイエンスを教えるアンドリュー・ニグ、ダフニー・コーラー両教授で信憑性もある。利益優先の新進企業ではなく、世界中の学生たちに無料で良質な教育を教授するという信念で起ち上げられた。
世界中から参加者が集まる主因は、無料という点と充実したカリキュラムに尽きる。両教授がいくら優秀でも、講義に満足できなければ人は集まらない。
講義を提供する大学は世界8カ国(米国、カナダ、オーストラリア、英国、スイス、インド、イスラエル、香港)の33大学で、コーセラの事業に賛同し、授業をオンラインで提供している。
参加大学はスタンフォード大学をはじめ、プリンストン大学、コロンビア大学、ジョンズ・ホプキンズ大学、ペンシルベニア大学といった米国名門校のほか、英エジンバラ大学、カナダのトロント大学、オーストラリアのメルボルン大学、スイスの連邦工科大学ローザンヌ校などで、全213コースが提供されている。