アフリカ中央部に位置するコンゴ民主共和国(以下コンゴ)で、11月20日、反政府勢力M23(March 23 Movement)が、ルワンダ国境にほど近い北キヴ州の州都ゴマを制圧した。

 27日、M23はゴマから撤退を始めることを表明したが、1960年の独立以来、コンゴ動乱、30年にも及ぶモブツ・セセ・セコ大統領による独裁、そして泥沼の内戦、と混乱が限りなく続いているこの国の不安定な現状を世界中が再認識する結果となった。

なくならない少年兵の存在

コンゴの首都キンシャサ。UNの車の姿が見える

 今回の侵攻を伝える報道の中に、コンゴ、ルワンダ国境周辺で両国から「リクルート」された少年兵の存在を指摘するものがあった。

 実際、M23の中心的存在の1人とされる「ターミネーター」の異名を持つルワンダ人ボスコ・ンタガンダは、国際刑事裁判所(ICC)から少年兵徴用などの戦争犯罪で起訴されている人物だ。

 今年3月、ICCの逮捕状が初めて実効性を持ち、禁固14年の刑が言い渡されたコンゴ愛国者連合(UPC)代表トーマス・ルバンガの罪状も少年兵徴用などの戦争犯罪だった。

 1998年に始まった第2次コンゴ戦争では、誘拐などされたうえで兵士に仕立て上げられた15歳未満の子供たち3万人以上が、敵の殺害や略奪、放火といった行為を強いられたと言われている。

 コンゴの隣国、ウガンダ北部が拠点の「神の抵抗軍」(LRA)のジョセフ・コニーを中心とする幹部も、人道に関する罪、戦争犯罪でICCに起訴されているのだが、ンタガンダ同様、いまだ裁判に至っていない。

 長年内戦が続いてきたウガンダでは、LRAがスーダン政府と、ウガンダ政府がスーダン人民解放軍(SPLA:昨年独立を勝ち取った南スーダンの正規軍に「昇格」)と組み、戦ってきた。

 その主たる戦いの場となってきた北ウガンダ、南スーダンあたりのあまり伝えられない現実を知るには、米国映画『マシンガン・プリーチャー』(2011)がよい手がかりになるだろう。