シャープやパナソニックが相次いで通期業績見通しの大幅な下方修正に追い込まれたのはご存じの通り。当欄で何度も指摘してきた通り、薄型テレビやスマートフォンといった主力事業が国際競争で“完敗”したことが主因だ。

 シャープやパナソニックという2大メーカーのほか、他の日系企業も構図はほぼ一緒。国際競争の激化と価格競争はある程度見通せたはずなのに、これを放置してきた各社経営陣の判断ミスは痛い。

 この構図は日本のある業界がたどった過程に酷似している。問題の根っ子を読み解くキーワードは“風船爆弾”だ。

「風船爆弾破裂」というババを引くのは誰?

 「デジタル家電など本業で負け組になっている」・・・。

 10月31日の津賀一宏パナソニック社長のこの発言を新聞で読んだ直後、私はこう思った。想定していたよりも随分早いな、と。

 2011年1月12日付の当欄で、私はこんな記事を寄せた。「日本からテレビメーカーがなくなる日」。また同月31日付では「スマフォの部品メーカーに蔓延する『嫌日ムード』」。両記事ともに、日本の家電メーカーが注力していた薄型テレビ、そしてスマートフォンの凋落を予測した内容だった。

 シャープが2012年10月に発表した通期の業績予想修正では、最終赤字が4500億円に膨らんだ。パナソニックにしても、通期最終損益見通しを500億円の黒字から7650億円の赤字へと修正した。