米ウォールストリート・ジャーナルによると、中国で加入者数第3位の携帯電話会社、中国電信(チャイナ・テレコム)がまもなく米アップルの最新スマートフォン「 アイフォーン(iPhone)5 」の販売を始めるもようだ。
同紙は、中国共産党大会に合わせて設けられた記者会見の場で、中国電信の王会長が「11月下旬か遅くとも12月初旬に販売を開始する」と語ったと伝えている。
第2位の中国聯通も認可待ち
同国ではこれまで中国電信と、加入者数第2位の中国聯通(チャイナ・ユニコム)の2社がアイフォーンを取り扱ってきた。しかし最新モデルの発売に際しては当局から許可を得る必要がある。
中国聯通の常会長も、中国電信の王会長ほど明確な話はしなかったが「認可を待っている段階」と述べたとウォールストリート・ジャーナルは伝えている。
そもそも中国でアイフォーンの販売が始まったのは「アイフォーン3GS」時代の2009年10~12月期。それから今年3月に中国電信がアイフォーン4Sを販売するまでの間、同国では中国聯通がアイフォーンを独占販売していた。
また加入者数がこの2社合計の2倍以上と言われる同国第1位の中国移動(チャイナ・モバイル)については、これまで何度かアップルと交渉を行っていると報じられたが、現在のところ両社からの正式発表はない。
Android端末のシェアが急拡大
いずれにしても、2位と3位の通信事業者だけでも、合計加入者数は3億3000万人以上に上り、アップルはようやく米国に次ぐ世界2位の巨大市場でアイフォーンの最新版を販売できるようになる。同国では富裕層や中流層の増加に伴いアイフォーンのような高級端末に対する需要が旺盛になっている。
ただし、同社は安閑としていられない状況にもある。というのもアップルは同国で常に最新モデルの市場投入が遅れるからだ。ウォールストリート・ジャーナルによると、これは主にアップルが米国市場への供給を優先することに加え、前述のとおり中国では認可を待つ必要があるからだという。