中国の携帯電話通信事業者、中国電信(チャイナ・テレコム)は米アップルのスマートフォン「アイフォーン(iPhone)4S」の取り扱いを始めると発表した(PDF書類)。3月2日にインターネットによる予約受付を開始し、3月9日に販売を開始する。
2社供給体制で販路を拡大
アイフォーンはこれまで加入者数で同国第2位の中国聯通(チャイナ・ユニコム)が独占的にサービスを提供してきたが、新たに第3位の中国電信も加わることで、今後2社供給体制のもと販売を拡大していくことになる。
中国では今年1月13日にアイフォーン4Sが発売されたが、前日の夜から多くの人が店舗前に並んだことから大混乱になり、アップルは一部店舗の閉鎖を余儀なくされた。
アイフォーン4Sは現在アップルのオンラインストアや再販業者、中国聯通の店舗で販売されているが、中国電信が新たな販路になることで今後、こうした事態は避けられ、販売を伸ばすことができると見られている。
加入者数10億人の携帯電話市場で本丸を狙う
アップルの昨年10~12月期におけるアジア太平洋地域の売上高は76億9700万ドルで、1年前に比べ54%伸びた。このうち中国は、9億8758万人の加入者を抱える世界最大の携帯電話市場。
タブレット端末「アイパッド(iPad)」の商標権問題などトラブルもあるが、中国はアップルにとって重要な市場だ。
そこでアップルは、同国第1位の携帯電話サービス事業者、中国移動(チャイナ・モバイル)とも交渉している。
というのも、今回契約を結んだ中国電信の加入者数は1億2930万人。既にアイフォーンのサービスを提供している中国聯通は2億300万人で、両社を合わせても中国移動の6億5500万人の半分程度だ。