経営のためのIT活用実学

テクノロジーの進化で可能となった
「個客」マーケティング

2012.11.13(火)  JBpress

企業のマーケティング活動の中で、Webをベースとしたデジタルマーケティングが大きな比重を占めるようになった。スマートフォンやタブレット端末、ソーシャルメディアといった新しいチャネルも普及し、効果的なデジタルマーケティングの方法と可能性が議論され、模索されている。

 それに伴い、マーケティングそのものの役割も大きく変化しつつある。日本IBM スマーター・コマース担当パートナーの浅野智也氏は、「マーケティングは、もはや製品やサービスのプロモーション活動だけにとどまりません。顧客との関係構築、維持やブランド、企業文化そのものに影響を与える役割にまで拡大しています」と語る。

 マーケティングをITと融合させ、単に広告宣伝活動を行うだけではなく顧客とのより密接で継続的な関係をつくり上げることが、企業にとって大きな課題となっている。その中で世界の先進企業はどんな課題を抱え、どんな試みをしているのか。マーケティング最前線の動向と今後の行方を浅野氏に聞いた。

プロダクト志向、サービス志向から顧客志向へ

──企業のマーケティングは、現在どのような変化を迎えていますか。

浅野智也氏(以下、敬称略) 今まで企業と顧客のコミュニケーションは一方向でした。つまり、最初に企業が市場調査を行い、それに応じて商品やサービスを開発します。プロモーションをかけてお客様に買っていただき、繰り返し買っていただくことでロイヤルティーを高める、という形です。

 それが、ソーシャルメディアやスマートフォンなどの登場によってコミュニケーションが双方向で行われるようになってきました。今はほぼリアルタイムで、テストマーケティングや企業の問いかけに対する意見や回答をお客様からいただける場が出来上がっています。従来のように自分たちの商品やサービスを誰が買ってくれるかを探すのではなく、目の前にいるお客様が今日何を欲しがっているかを考えようという形に変化しつつあります。

──そうした企業は実際に現れているのでしょうか。

浅野 世界の先進企業は、今までのプロダクト志向、サービス志向から顧客志向への転換を始めています。

 ただし一口に顧客と言っても、今までのようにセグメンテーションして顧客を「かたまり」で捉えるのではなく、より「個人」に近づこうという動きが進んでいます。実際に個のレベルでのマーケティングを行い、成果を挙げる企業が現れています。

 例えば、電気製品の販売を主とするアメリカの小売会社…

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