米アップルが10月31日に米証券取引委員会(SEC)に提出した年次報告書(Form 10-K)で、同社の経営に関する詳細なデータが明らかになり、話題になっている。中でも興味深いのは研究開発費だ。
これによると、今年9月末までの2012会計年度の研究開発費は約34億ドルで、その前の年度の約24億ドルからほぼ10億ドル増えている。
5年前に8億ドルだった同社の研究開発費は、その後11億ドル、13億ドル、18億ドルと年々増え続け、2012年度も過去最高を更新した。
その増加額も過去最高と見られ、同社が売上規模の拡大に伴って先行投資を積極的に進めていることが分かる。
怒濤の新製品攻勢には研究開発費もかさむ
アップルは、今年10月23日開催した特別イベントで、「アイパッドミニ(iPad mini)」や、新型の第4世代のアイパッド、ノートパソコン「MacBook Pro」、デスクトップパソコン「iMac」「Mac mini」の新モデルを発表している。
このうちアイパッドは本体を薄く、軽くしながらも、バッテリー駆動時間は従来モデルとほぼ同じ。ノートパソコンは高精細ディスプレイを搭載した13インチモデルを市場投入した。
デスクトップパソコンでは容積を従来より4割小さくして薄型化を図ったり、ハードディスク駆動装置(HDD)と半導体ディスク(SSD)を組み合わせたハイブリッドディスクを搭載したりした。
またアップルは今年9月に、スマートフォンの新モデル「アイフォーン(iPhone)5」を市場投入しているが、これに合わせて独自設計の「A6」プロセッサーを開発している。