三井住友銀行、三菱UFJ銀行、ゆうちょ銀行、3行のインターネットバンキングのホームページにログイン時、フィッシング狙いと思われる個人情報入力を要求する偽のポップアップ画面が現れるケースが出現、注意が呼びかけられている。

BBCに出演して堂々とウソをついた男

グーグルやFacebookなど米インターネット大手、迷惑メール対策で協力

フィッシング詐欺はメールが中心だったが、ついに正規サイトでも発生した〔AFPBB News

 ウイルスが原因ではないかと推測されているが、正規サイトでのことだけに、実に厄介な問題だ。

 最新のセキュリティと細心の注意を、と言われたところで、偽サイトにさえ、ひっかかるときはひっかかるのが現実。それも、大手企業やメディアでさえ・・・。

 2004年12月3日、ダウケミカル社スポークスマンを名乗る男がBBCニュースに出演した。そしてそれまでの方針から180度転換し、20年前の事故に対し巨額の賠償金を支払うことになったと発言、ニュースは瞬く間に世界中に広がっていく。

 ところが、2時間後、それが真っ赤なウソであることが発覚、BBCはあわてて訂正することになる。

 実はこれ、偽サイトを作り相手が食いつくのを待っていた「The Yes Men」なる2人組の仕業。その罠には、これまで多くの「大物」がひっかかってきたようで、このときはBBCが餌食となったのである。

インドの人たちのためについたウソ

 そんな様子をとらえたドキュメンタリー映画『イエスメン2(原題「The Yes Men Fix The World」は「世直しイエスメン」といったところか)』(2009/日本劇場未公開)を見ていると、彼らのキャラクターもあってか、冗談っぽく思えてしまう。

 しかし、その行為自体はしっかりとしたポリシーに貫かれたもの。なりすましにしても、「平和時における史上最悪の産業災害」と言われるインド中部の都市ボパールで起きた化学工場事故における被害者への賠償が不十分との考えあってのものだった。

 ウソがばれたあと、「ボパールの人々をぬか喜びさせ、かえってがっかりさせた」との批判を浴びることになるが、「我々が騙したのは2時間、彼らの20年間に比べればずっと短い」と答えるイエスメンの面々。

 それでも不安の残る彼らはボパールへと直接出向き、「ウソと聞いたときはがっかりしたが、これで問題に目を向けてくれる人がずっと増える」との現地の声にホッとする場面が映画にある。