筆者は僭越ながら社長ブログというものを書いているのだが、先日、ある記事を見た当社の女性スタッフが、「これ、いいですね。“いいね”ってやりたいですね」という反応をしてくれた。

 確かに、それはちょっとした写真が載っているだけで、わざわざ文章でコメントを書きこむほどではない記事。「いいね」を押したいというスタッフの気持ちは、なんとなく分かる。

 SNSの普及とともに、発信された情報に対する「“いいね”程度のフィードバック」が、コミュニケーションの一形態として多くの人の体に染みついてきたことを実感する出来事だった。

企業内SNSの“Like”はハンコと同じ?

 以前にも何度か書いてきたが、当社の社内コミュニケーションは米国製のエンタープライズソーシャルネットワークが主流となっている。メールと併用ではあるが、全体のコミュニケーションの半分以上はフィード上だ。

 そこでの投稿内容は様々である。身の回りのちょっとした出来事から始まり、プロジェクトの問題解決や営業案件の共有、経費の申請、飲み会の案内、勤怠報告・・・、よほど機密性の高いもの以外は何から何までアップされる。

 投稿に対して必要に応じて関係者がリプライをするのだが、“Reply”と同じくらいの数で“Like”の反応も見受けられる(ボタンは英語で表記されている)。特に筆者の場合、立場上何らかの反応を求められることが多いので、非常に頻繁に“Like”を押している。

 そういう日々を送ってきて、最近ふと思った。「この“Like”は昔で言うハンコと同じではないか?」

 申請もの、相談もの、報告ものの投稿、それらに対して「“Like”捺印」(?)しているのである。Likeをクリックすることで意思決定と事務処理が進む。つまり、“Like”の「乱発」で仕事がどんどん動いているというわけだ。