米IHSアイサプライが先週公表した中国のスマートフォン市場調査で、米アップルの「アイフォーン(iPhone)」の同国における出荷台数ランキングが第7位と意外に低いことが分かった。
アイフォーンと言えば世界の主要市場で韓国サムスン電子製端末と首位を争う大ヒット商品。ところが中国市場では、レノボ・グループ(聯想集団)などの地元メーカーの後塵を拝しており、普及が進んでいないようだ。
出荷台数、サムスンの3分の1
IHSアイサプライによると、1~6月期における同国スマートフォン出荷台数の首位はサムスンで、この後、レノボ、酷派(クールパッド)、華為技術(ファーウェイ)、ノキア、中興通訊(ZTE)の順で続いた。
アップルはこれに次ぐ第7位で、中国国外ではスマートフォンメーカーとしてあまり知られていないレノボや酷派をも下回った。
詳しく見ると、1~6月期のサムスンの出荷台数は1440万台で市場全体の20.8%を占めた。これに対しアップルの出荷台数は520万台で、シェアは7.5%とサムスンの3分の1程度だ。
その理由としてIHSアイサプライは、アイフォーンの対応通信方式と販売価格を挙げている。同社によると、外国メーカーで中国独自の3G通信方式「TD-SCDMA」に対応していないのはアップルのみ。さらにアップルは、この通信方式の端末を広く普及させている同国最大の通信事業者、中国移動(チャイナ・モバイル)とまだ契約ができていない。
6.9億人のユーザー抱える中国移動がカギ
アイフォーンは、従来同国第2位の中国聯通(チャイナ・ユニコム)が独占的にサービスを提供してきたが、今年3月には第3位の中国電信(チャイナ・テレコム)もサービスを開始した。
しかし中国聯通の加入者数は約2億人、中国電信は約1億3000万人で、両社を合わせても中国移動の6億8800万人の半分程度だ。