今年4~6月期における世界のスマートフォン出荷台数は、韓国サムスン電子が5000万台の大台を突破し、米アップルとの差を広げたことが2つの調査会社(米IDC/米ストラテジー・アナリティックス)のリポートで分かった。
ギャラクシーの新モデルが好調
ストラテジー・アナリティックスによると、サムスンの出荷台数は5050万台、IDCでは5020万台。両社の数値は若干異なるが、3カ月間で5000万台超とは、これまでどのメーカーも成し遂げられなかった過去最高記録だ。
サムスンはギャラクシー(Galaxy)シリーズの新モデル「ギャラクシーS III」を四半期中に市場投入したほか、スマートフォンとしては大型の5.3型「ギャラクシー・ノート」が好調に売れて、出荷台数を伸ばした。
一方アップルの出荷台数は2600万台にとどまった。アイフォーン(iPhone)は1年前に比べて27.5%伸びたが、1~3月期からは26%減少し、現行モデル「アイフォーン4S」を発売した昨年10~12月期からは30%減少した。
アップルは1年に1回アイフォーンの新製品を出すため、この4~6月期は次期モデル発売前の谷間に当たり、今回の調査結果は同社の通常パターンと一致するとIDCは見ている。今後の注目ポイントは、年内にも市場投入される新型アイフォーンとサムスン端末との戦いという。
サムスン、初めて2四半期連続トップ
アップルとサムスンは、抜きつ抜かれつという関係が続いている。
アップルの出荷台数が四半期ベースで2000万台を超え、フィンランド・ノキアを抜いて初の首位となったのは、今回の調査期間のちょうど1年前、つまり昨年の4~6月期だ。このときサムスンも1730万台を出荷し、ノキアを抜いている。
しかし、次の7~9月期はアップルで新製品発売前の買い控えが起きて出荷台数が減少、このときサムスンの台数が2360万台と伸び、同社は初めて首位に躍り出た。
だが、それもつかの間、10~12月期にはアップルがアイフォーン4Sを発売し、これが年末商戦で爆発的に売れた。同社の出荷台数は過去最高の3700万台に達し、アップルは首位に返り咲いた。