米マイクロソフトがパソコンやタブレット端末用の次期基本ソフト(OS)「ウィンドウズ8」について、RTM(工場出荷)版や90日間の評価版の提供を開始したと発表した。これはアプリケーションの開発者や、企業のIT技術者などに提供するもの。

 ウィンドウズ8の一般向けリリースは予定通り10月26日だが、これに先立ち、同OS用アプリケーションの開発を促進したり、企業に導入を検討してもらったりするのが狙いだ。

Windows 8の“人気”をアピール

米マイクロソフトの4~6月期決算、初の最終赤字

マイクロソフトが「サーフェス」を発表して以来、メーカー各社は同社の動向を警戒するようになっていた〔AFPBB News

 また、これとタイミングを同じくして、マイクロソフトは、台湾アスーステック(ASUS)や米デル、中国レノボ・グループ(聯想集団)、韓国サムスン電子といったメーカーが、ウィンドウズ8搭載機を順調に開発中と公式ブログで発表した。

 同社がこうしてブログで突如パートナー企業の開発状況を公表するのは非常に珍しいことで、これにはウィンドウズ8がメーカー各社に支持されていることをアピールする狙いがあると見られている。

 というのも、同社が自前のウィンドウズ8搭載タブレット端末「サーフェス(Surface)」を市場投入すると発表して以来、メーカー各社はマイクロソフトの動向を警戒するようになったからだ。

 例えば先頃は、米ヒューレット・パッカード(HP)が一部のバージョンのタブレット端末の市場投入を当初見合わせる方針だと伝えられた。台湾エイサーの最高経営責任者(CEO)もサーフェスが発表されて以来、マイクロソフトが自らハードウエアを開発、販売することを強く批判している。

 米アップルの「アイパッド(iPad)」などのタブレット端末の台頭でパソコンの販売が低迷している中、マイクロソフトは、アイパッド同様に低消費電力の「ARM」基本設計を採用するプロセッサーに対応するウィンドウズ8の派生バージョン「ウィンドウズRT」を開発し、同時に自社も同OSを搭載するタブレットを発売することを決めた。

 しかしそれ以来、メーカー各社が同OS搭載タブレットの開発を躊躇する姿勢を見せており、マイクロソフトにとっては新OSリリース前に幸先の悪い知らせが相次いでいる。