政治評論家・ラジオパーソナリティの中村鋭一氏をゲストに迎えた今回の『中山泰秀のやすトラダムス』(Kiss FM KOBEで毎週日曜24:00-25:00放送)。

 朝日放送のアナウンサーやラジオ番組「おはようパーソナリティ中村鋭一です」のパーソナリティを務め、後に国会議員となった中村氏と中山氏が、今と昔の政治家の違いや李明博韓国大統領による竹島上陸問題などについて語った。

日本のリーダーから失われた貫禄や威厳

中山 今回は、朝日放送で長年パーソナリティとして活躍し、その後、衆参両院で国会議員を務められた中村鋭一さんにお話を伺いたいと思います。

 政界の暴れん坊と言われた浜田幸一先生が5日に逝去されましたが、いま政界では個性的な政治家が少なくなっています。また、鵜匠に操られている鵜のようなチルドレン議員ばかり増えている気がしますが、中村さんはこの現状をどう思いますか。

1951年9月8日、日米安全保障条約調印式の吉田茂首相(ウィキペディアより)

中村 昔はその人に備わっている素質や雰囲気というものがありました。特に我々の世代の人間にとっては、吉田(茂)元首相の印象が強く残っています。

 羽織袴に白足袋を履いた姿、そして白いパナマ帽を被って葉巻をくわえながらステッキを突く。それがちっともおかしくないんです。あの貫禄や威厳を持った政治家が、今はいません。

 自民党総裁の谷垣(禎一)さんなんかも印象が薄いでしょ。自民党というのは過去数十年にわたって日本の政権を担当してきた政党ですから、やはりリーダーにはそれなりの雰囲気や貫禄が必要です。

 例えば、中曽根(康弘)さんあたりまでの首相にはそれがありました。しかし、はっきり言って福田康夫や麻生太郎の頃からはすっかり失われてしまった。

 ましてや民主党の鳩山(由紀夫)や菅(直人)なんかは話になりませんよ。かつては、野党にも楢崎弥之助のようなサムライがいたし、与党にも浜田幸一のような豪傑がいました。

 また、派閥の領袖クラスで言うと竹下(登)元首相です。私が国会議員の時、当時首相だった竹下氏に質疑を行う機会があったのですが、こんな答弁が返ってきました。

 「その問題については“a few”や“a little”でもなければ、“few”や“little”でもない」と・・・。こんな訳が分からない答弁なのに、何となくこちらも質問の二の矢が継げなくなってしまう。そういう貫禄というか、テクニックを持った政治家が本当に少なくなりましたね。

李大統領の竹島上陸より「盗人たけだけしい」のはロシア

中山 韓国の李明博大統領が10日、竹島に上陸しました。また、ロンドン五輪のサッカー男子日韓戦後に、韓国の朴鐘佑(パク・チョンウ)選手が「独島は我々の領土」と書かれたボードを掲げ、物議を醸しています。中村さんはこの問題をどう見ていますか。