予想外のご好評を頂いているこの「バカ・シリーズ」も今回で20回を数えることに気がつきました。中だるみしても何ですので、来週からは一度、ちょっと違う話題に移ることにしようと思います。

 ですが、「頭が良くなりたければ、まずバカになろう!」というのは本質的な話で、またいずれここに帰ってこようと思っています。

 今回はバカの五段活用の最終段「感覚・意識・意味・判断力・常識」の常識の逆をいく「頭が良くなりたければ、まずバカになる方法」を考えてみましょう。

「非常識なことをしてみせる」ではない

 今日でもそこそこ頻繁に「逆転の発想」とか「常識を超える」みたいな話を、ビジネスマン向けの書籍のタイトルで目にするのですが、どうなのかなぁ・・・と思ってしまうのが僕の正直なところです。

 例えばフェイスブックが当たった。で、ザッカーバーグ君の発想は「常識を超えていた」とか何とか、そういう後知恵で言っても、何も面白いことはないと思うんですね、正直。二匹目のドジョウがいるわけでもないし。

 何か、常識を超えると言うと奇抜なことをしてみせるとか、「個性的」な振る舞いをするとか、ファッションが変だとか、そういうイメージがありますが、この手のものはあまり「頭が良い」方向に展開はしないように思うのです。

 いや、そうでない場合もあるかもしれない。奇抜なファッションで人を驚かせながら、実は大変巧妙なことをする、アタマの良い人もいるに違いない。

 でもね、そういうのって、このコラムの読者の皆さんに、直接役に立たないと思うわけです。明日から会社に全身ピンクの服装で通おう、とか実践しようとしても、まあ、「あの人もついに・・・」とか思われるのがオチかもしれませんし・・・。

 いえいえ、これは冗談ですが、そんなことではない、もっと当たり前に見える「常識」の壁が、実は私たちの身の回りには、それこそ山のようにあるわけです。

 だからこそ「常識」になるわけですが、その山や壁をどう考えるか、がポイントだと思うのです。