スマートフォンやタブレット端末用のアプリの市場では、相変わらず米アップル「アイフォーン(iPhone)」や「アイパッド(iPad)」のOS(基本ソフト)「アイオーエス(iOS)」が人気を集めており、米グーグルの「アンドロイド(Android)」を引き離しているようだ。
とは言ってもこれは消費者人気のことではなく、アプリ開発者からの支持のことである。
タブレットの強さがアイオーエスの魅力
モバイルアプリの解析や市場調査を手がける米フラーリ(Flurry)がまとめた最新の調査によると、今年1~3月に新規に開発されたモバイルアプリのアイオーエスとアンドロイドの比率は69%対31%で、これは昨年12月に行った前回調査の数値とあまり変わりがない。
今や世界のスマートフォン市場は、アイオーエスとアンドロイドを合わせたシェアが8割を占めており、市場はこの2つのプラットフォームが支配している状態。
とりわけアンドロイドのシェアは59%に達しており圧倒的な力を見せつけている。にもかかわらず開発者の間では今もアップル人気が高い。
その理由にはいくつかあるようだが、フラーリではまず、タブレット端末の利用度の違いを挙げている。
同社によると今年1~5月の期間にアップルのアイパッドからネット接続された割合は88%に上ったが、韓国サムスン電子のアンドロイド端末「ギャラクシータブ(Galaxy Tab)」は9%だった。
米アマゾン・ドットコムの「キンドル・ファイア(Kindle Fire)」もOSアンドロイドを採用しているが、その割合はわずか3%という状況だ。
iOSアプリはAndroidの4倍稼ぐ
さらに開発者の収益に関する調査結果を見ると、アイオーエスとアンドロイドの違いがより明確になる。例えばアイオーエス向けアプリが1ドルの収益を上げるのに対し、同じアプリのアンドロイド版で得られるのは24セントにとどまる。
これは同社が昨年10~12月と今年1~3月に行った調査でもほぼ同じ結果となっている。