「無添加」は「添加物入り」より本当に安全なのか?

“嫌われ者”食品添加物を正しく理解する(後篇)

2012.04.27(Fri) 漆原 次郎
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 食品添加物入り食品は、危険なのだろうか。このような疑問のもと、前篇では大妻女子大学家政学部食物学科の堀江正一教授に、食品添加物の安全性を確保するための基準の立て方などを聞いた。

 前篇でのポイントの1つは、食品添加物を食品に含める時の基準そのものが厳しく見積もられているという点。動物実験で、有害な影響の出なくなる“閾値”である「無毒性量」を出す。それを人間に当てはめるため「安全係数」の100でさらに割る。こうして算出された「一日許容摂取量」の範囲内で、食品添加物入りの食品は出回ることになっている。

 しかも、実際に出回っている食品に含まれる各食品添加物の量は、たいてい一日許容摂取量の1%未満。多くても数%ほどにとどまるともいう。

 だが、食品添加物自体の一日許容摂取量が定められていても、食品メーカーがそれを破ることはないのだろうか。

 後篇では、流通している食品に含まれる食品添加物の検査体制がどうなっているかも紹介していきたい。

 食品添加物の安全性評価と食品添加物使用量の検査。これらから導き出せる“結論”はどのようなものになるか。引き続き堀江教授の話に耳を傾けてみる。 

添加物の指定品目数が100増える

──前篇の話では、添加物製造メーカーが新しく食品添加物を申請して厚生労働省から認められる頻度は、数年に1~2件とのことでした。新たに日本で認められる食品添加物はめったにないのですか?

堀江正一教授(以下、敬称略) いえ、そういうわけではありません。添加物製造メーカーからの申請とは別に、今、厚生労働省が「国際汎用添加物」と呼ばれる添加物の指定品目数を増やしているのです。

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1975年生まれ。神奈川県出身。出版社で8年にわたり理工書の編集をしたあと、フリーランス記者に。科学誌や経済誌などに、医学・医療分野を含む科学技術関連の記事を寄稿。日本科学技術ジャーナリスト会議理事。著書に『日産 驚異の会議』(東洋経済新報社)、『原発と次世代エネルギーの未来がわかる本』(洋泉社)、『模倣品対策の新時代』(発明協会)など。


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