米アマゾンが昨年末に市場投入したタブレット端末「キンドル・ファイア(Kindle Fire)」は年末商戦で好調に推移したようだ。

 アマゾンは同社のキンドルシリーズについて個々の販売実績を発表しないことで知られるが、市場調査会社の米IHSアイサプライが16日までにまとめた調査で概要が明らかになった。

アマゾン、一気に2位へ浮上

アマゾンのタブレット「キンドル・ファイア」、賛否両論のスタート

初登場で2位に浮上したアマゾンの「キンドル・ファイア」〔AFPBB News

 それによると、アマゾンの昨年10~12月期における出荷台数は389万台。韓国サムスン電子の214万台を上回り、キンドル・ファイアは初登場ながらいきなり2位に浮上した。

 もっとも米アップルの「アイパッド(iPad)」の同期間における出荷台数は1543万台で、これには遠く及ばなかった。

 しかしアマゾンはほかのどのメーカーをも大きく引き離しており、米グーグルのモバイル基本ソフト(OS)「アンドロイド(Android)」搭載端末の中ではトップとなった。199ドルというアイパッドの半値以下の低価格路線が成功したようだ。

 IHSアイサプライがまとめた10~12月期における各メーカーのシェアを見ると、アップルが57%、アマゾンは14%、サムスンが8%だった。この後、書店チェーン大手、米バーンズ&ノーブルの7%、台湾アスーステックの2%と続いた。

アンドロイドタブレットは利益を圧迫

 このうち、バーンズ&ノーブルが11月中旬に発売した「ヌック・タブレット(NOOK Tablet)」も好調に売れた。同社の出荷台数は前の四半期から156%増となり、アマゾンに次ぐ高い伸びを示した。こちらも249ドルと安く、やはりこうした低価格端末が消費者に受け入れられたようだ。

 ただその一方でIHSアイサプライは、「これら書籍小売企業による、コンテンツ販売を視野に入れた赤字覚悟の販売戦略は、電子機器メーカーを脅かし、アンドロイドタブレット市場を混乱させた」と指摘している。