スマートフォンの出荷台数がついにパソコンを上回ったようだ。英国の市場調査会社カナリスによると、世界における昨年10~12月期のパソコンの出荷台数は1年前から16.3%増の1億2020万台になった。これに対しスマートフォンは同56.6%増の1億5850万台で、パソコンを大きく上回った。
これにより昨年1年間の出荷台数は、パソコンが4億1460万台、スマートフォンが4億8770万台で、両者には7000万台以上の開きが出た。
わすか数年で“ニッチ”から量販製品へ
同社の主席アナリスト兼副社長のクリス・ジョーンズ氏によると「スマートフォンは当初、携帯電話の中の高機能端末という位置付けで一部の人が利用するニッチな端末だった。しかしここ数年で量販製品へと大きく成長し、(スマートフォンは)まさしく大きな転換期を迎えた」。
興味深いのはカナリスという会社が、従来型のパソコンと、米アップルの「アイパッド(iPad)」などのタブレット端末を1つの市場ととらえて調査している点だ。
同社が「クライアントPC」と定義する製品カテゴリーには、ノートパソコン、ネットブック、デスクトップパソコン、タブレット端末が含まれており、これらの昨年1年間の内訳は、ノートパソコンが前年比7.3%増の2億960万台、デスクトップパソコンは同2.3%増の1億1240万台、ネットブックが同25.3%減の2940万台。タブレット端末が同274.2%増の6320万台だった。
ネットブックの需要が大きく落ち込み、ノートパソコンとデスクトップパソコンは低成長する。その一方でタブレット端末だけが大きく伸びているという状況だ。
しかし好調なタブレットをパソコンカテゴリーに入れても、成長著しいスマートフォンには大した影響を及ぼさないと同社は指摘している。