立山連峰を背景に、真っ白で大きな工場が横に大きく広がり、右から中央にかけて黒い四角の建物が重なる。全体で印刷機のイメージを表したのだという。
風景に調和した美しい外観のタイヨーパッケージ(富山県立山町)は、建物の中に入ると、まるで印刷ワンダーランドだ。
建物と建物の間の狭い入口から中に入る。建物が大きい割に狭いところに入ってゆくので、「仮設の入口なのかな」と思ったら、実は正式な玄関だという。
しかし、玄関から一歩中に入ると大きな玄関ホールが目の前に広がる。狭い入口から一気に広がる開放感が大切なのだという(茶室のにじり口のイメージなのか?)。
真っ白な玄関ホールの壁に、赤を基調にした絵が数枚並べられている。真っ白な空間は「パッケージをお客様の色に染めてほしい」という思いと、「社員に、毎日をまっさらな気持ちで過ごしてもらいたい」という願いが込められているのだと楠行博社長。
玄関ホールから厳重なセキュリティー扉を開けて入ったところが「CORCA(コルカ)」である。コリドー(廊下)とカフェを合成した楠社長の造語だ。従業員同士が出会い、コミュニケーションしながら、新しいモノを生み出す場なのだという。
CORCAの大きく広がった窓からは壮大な立山が望める。全社員がCORCAで「出会う」ように動線が設計されており、必要な時には随時ミーティングができる。ここで技術的なアイデアが生まれることもあれば、新しいデザインや斬新なアイデアに「出合う」こともある。そのすべてが新しい製品づくりに生かされるのだ。
医薬品メーカーと同じレベルでクリーンな環境を追求
CORCAを抜けた先は工場だ。工場には至るところに品質を追求するための工夫が凝らされている。その基礎にあるのは「GMP」(Good Manufacturing Practice:アメリカ食品医薬品局の定めた医薬品等の製造品質管理基準)だ。