JR東日本の横須賀駅を左へ出て臨海公園に立つと、海上自衛隊の艦艇と米海軍第7艦隊の艦艇を一望することができる。

 これら日米の艦艇が、同じ港内に何の違和感もなく停泊しているここ横須賀において、2011年11月末、創設20周年を迎えている日米ネービー友好協会(JANAFA:U.S. Japan Navy Friendship Association)は、例年通り秋季定例懇親会を開催した。

 JANAFAは、海上自衛隊OBの有志が中心となって「冷戦期の日米安全保障体制の中核として、同体制を支えてきた海上自衛隊と米海軍との友好親善と相互信頼の絆を、より一層強化しなければならない」との強い信念のもと、1991年「海上自衛隊と米海軍との友好親善と相互理解の維持強化に努めること」を目的として設立された。

ギクシャクする日米関係を憂慮して作られた

2011年のJANAFA秋季定例懇親会

 1990年当時、日米安全保障体制は条約締結30周年を迎え、日米両国は強固な絆を培ってきていたが、冷戦終結後の新たな国際環境下、経済摩擦や技術摩擦などにより日米関係がギクシャクする中、同年8月に湾岸戦争が生起した。

 かかる情勢下、湾岸戦争に対する日本の対応が、日米同盟の信頼関係に悪い影響を与えるのではないかとの「危惧」と同盟関係の中核である海上自衛隊と米海軍(両ネイビー)の友好親善と相互信頼の増進のため、OB主体の組織を創って支援すべしという「志」が、JANAFA創設へと男たちを導いた。

 爾後、当協会は、米海軍艦艇および海外派遣海上自衛隊艦艇の出入港の歓送迎、また米海軍士官の我が国名所旧跡への案内、米海軍士官候補生のホームステイ支援、親善行事の計画実施、米海軍行事への当協会会員の参加、当協会会員の米海軍基地研修支援など、海上自衛隊と米海軍のさらに一段上の友好親善と相互信頼の増進に寄与すべく地道に活動している。

 また、海上自衛隊OB有志で発足したJANAFAではあるが、現在では、当協会の活動目的に賛意された海上自衛隊出身者以外の約200人以上の個人や法人が賛助会員として活動に参加している。

 秋季定例懇親会は、当協会の定期的な活動として毎年実施している。2011年は、米海軍から第7艦隊司令官、在日米海軍司令官、第7艦隊戦闘部隊司令官、第7艦隊哨戒偵察航空部隊司令官など在日する主要な指揮官が参加した。

 一方、海上自衛隊からは海上幕僚副長、自衛艦隊司令官、横須賀地方総監、護衛艦隊司令官、潜水艦隊司令官など主要な指揮官が参加した。

 また地元選出の衆議院議員や当協会の活動に賛同頂き各種支援を頂いている方々など多数の来賓を迎え、正会員、賛助会員、海上自衛隊および米海軍の家族などを含め参加者は約300人を超え、盛大かつ和やかな雰囲気に包まれたものとなった。

 当協会は、海上自衛隊と米海軍との友好親善と相互信頼の増進に貢献した日米双方の部隊や隊員へ、定例懇親会などの機会に感謝状を贈呈し、その功績を称えているが、2011年は、東日本大震災における災害派遣での人命救助や被災民支援などにおける海上自衛隊と米海軍第7艦隊の前人未到の活躍を称えることとし、会長から東日本大震災災害派遣海災部隊指揮官である河村横須賀地方総監と米海軍スウィフト第7艦隊司令官へ感謝状を贈呈した。