米マイクロソフトは12日、韓国の家電大手LGエレクトロニクスと、モバイル端末などの基本ソフト(OS)に関して特許ライセンス契約を結んだと発表した。契約の対象となるのは米グーグルのモバイルOS「アンドロイド(Android)」とパソコン向けOS「クローム(Chrome)OS」だ。

「ウィンドウズフォン」普及させる狙いも

 これらグーグルのOSは、LGなどの端末メーカーに無料の「オープンソースソフト」として提供されており、各メーカーはそれを使ってスマートフォンやタブレット端末などを開発している。

 グーグルはその代わりに端末のユーザーに検索サービスなどを使ってもらい、それによって得られる広告収入で稼ぐというビジネスモデルを展開している。

マイクロソフト、スマートフォン向けOS「ウィンドウズフォン7」発表

ウィンドウズフォンを搭載した携帯電話〔AFPBB News

 ところが、マイクロソフトはグーグルのOSにはマイクロソフトの特許が無断で使用されていると主張。端末メーカーを相手取って訴訟を起こしたり、メーカーに働きかけて、ライセンス契約を結ぶよう促したりしている。

 マイクロソフトにとって契約のメリットは、特許使用料が入ること。またグーグルのOSが無料でないことをメーカーに周知させ、自社のモバイルOS「ウィンドウズフォン」の採用を増やすという狙いもある。

■アンドロイドとクローム関連で11件目

 マイクロソフトのこうした施策はこれまでのところ一定の成功を収めているようだ。同社は昨年、韓国サムスン電子、台湾HTC、台湾エイサー、米ビューソニックといったメーカーや、相手先ブランド向けに端末の設計や製造を請け負うODM(オリジナル・デザイン・マニファクチャラー)数社との契約締結に成功している。

 マイクロソフトのコーポレートバイスプレジデント兼知的財産担当副法務顧問、ホラシオ・グティエレス氏によると、今回のLGとの契約により、アンドロイドとクロームOSを対象にする特許ライセンス契約は11件となり、これにより、米国で販売されるアンドロイドスマートフォンの約70%が、マイクロソフトの特許資産の適用対象になるという。