米マイクロソフト(MS)は、米グーグルが無償提供するモバイル基本ソフト(OS)「アンドロイド(Android)」に関して、また新たな特許ライセンス契約を結んだと発表した。
今度の企業は台湾の大手モバイル端末メーカー、コンパル・エレクトロニクス。この契約によりマイクロソフトはコンパルが製造するスマートフォンやタブレット端末などの機器について特許使用料を受け取る。
MS、パートナーをODMにも拡大
金額などの詳細は明らかにしていないが、同社はコンパルがアンドロイド端末を1台販売するごとに数ドル~十数ドルのライセンス料を受け取るもようだ。
同社はこの10月にも台湾のクアンタ・コンピュータと、7月には台湾ウィストロンと同様の特許ライセンス契約を結んでいる。これらの3社は、相手先ブランド向けに端末の設計や製造を請け負うODM(オリジナル・デザイン・マニファクチャラー)と呼ばれる企業だ。
マイクロソフトによると、世界のODMのうち、クアンタ・コンピュータのアンドロイド端末(あるいはパソコン向けOS「クロームOS(Chrome OS)」)端末の売上金額ベースのシェアは25%。今回契約したコンパルは16%を占め、ウィストロンは14%になる。
つまりマイクロソフトはこれで売り上げベースで世界の半分以上のODM製品から特許使用料を得ることになり、「グーグルのアンドロイドやクロームを取り巻く知的財産権問題を解決するための成功が続いていることに喜んでいる」と述べている。
米国ではアンドロイド端末の半数から特許料を徴収
スマートフォンやタブレット端末を巡っては、市場競争と同様に法廷闘争も激しさを増している。
マイクロソフトは自社の特許がアンドロイドやクロームOSに無断で使用されていると主張し、グーグルが買収を計画している米モトローラ・モビリティや、電子書籍端末を手がける米書店大手のバーンズ&ノーブル、台湾・鴻海精密工業傘下のEMS(電子製品の受託製造サービス)富士康科技(フォックスコン)などと係争中だ。