皆さんはお正月「初詣」にお出かけになりましたか?
一言で初詣といっても神社もあればお寺もあり、いろいろと思います。いま神社にお参りするとしましょう。お参りのとき、どこを見ていますか?
拝殿の中や「ご神体」の鏡、玉ぐしや榊などいろいろなものがありますね。あまり賽銭箱などジロジロ見すぎたりするのもナニかと思いますが・・・。
さて、それはそれとして、神社の「屋根」に注目される方は、そんなに多くないような気がします。社殿の屋根ってどうなっているか、ご記憶でしょうか?
神社と土俵
神社の屋根の上というのは、普通の屋根組みと違って、ちょっと目立つ木の棒が突き出しています。この出っ張った木材は「千木(ちぎ)」ならびに「鰹木(かつおぎ)」と呼ばれるもので、神社建築に特有のもの、と事典の類には書いてあります。
が、実のところ、神社由来のほかの場所でも「千木・鰹木」の造りのある屋根を目にすることができます。代表的なのは相撲の土俵でしょう。
「国技」とされることからも分かりやすいかと思いますが、元来は相撲は神前で行われる奉納の勝負事でした。
日本書紀によると太古の相撲は蹴り技中心の格闘技で、相手が絶命するまで戦ったということですから、現在の国技とは相当様子の違うものだったことが窺われます。
ちなみに、元来は神事の神楽・猿楽から出たはずながら、現存する「能舞台」の屋根には千木・鰹木の構造は見られません。
しかし、最も古い西本願寺・北能舞台(1580年頃)でも、屋根は葺き替えられたもの、しばしば葺き替えられる過程で変化していった可能性もあると思っています。