かつては、革靴に白いソックスを履いて、リュックを背負って、ビニール傘を持った社会人は大半が「システムエンジニア」と相場が決まっていた。

 私が社会人になった時の「新入社員研修」では、「靴下の色は靴かズボンの色に合わせる」とか、「ベルトと靴は同じ色に」「ストライプ模様のシャツにストライプ模様のネクタイは合わない」とか、身だしなみの基本を教えられたものだ。

 当社の新入社員研修では、上記のことはもちろん、社会人として守らなければならない「就業規則」、各種法律やビジネスマナーなどを徹底して教えている。その「当たり前のことを、当たり前にやる」ことを、当社の「社員3カ条」の1つに挙げている。

当たり前のことを当たり前に行わない「いい加減なシステム屋」

 しかし、IT業界では当たり前のことが当たり前に行われていない。黒い革靴に白いソックスを平気で履くような「いい加減なシステム屋」が大手を振って歩いているのである。

 今日のビジネスにおいて、システム構築(IT化)が業務効率を上げる上で不可欠なものであることは周知の事実である。だが、その際にいい加減なシステム屋を選択すると、後々大変なことになる。

 実は当社で、あるシステムを構築するに当たり、社内の人員だけでは人手が足りなくなったので、一部のサブシステムを外注した。ところが、あまりにもこのサブシステムの出来が悪く、今年のゴールデンウイークはどこかに吹き飛んでしまったのである。

 この業界は、もともと「3K」(「きつい」「帰れない」「給与が安い」)と言われているが、まさしくゴールデンウイーク中は家に帰ることができなかった。

 余談だが、IT業界の「K」を挙げていったらきりがない。例えば、3K+「休暇が取れない」「化粧が乗らない」「結婚できない」「規則が厳しい」で7K。また、「管理職が放漫」「心を病む」「雇用が不安定」、さらには「経費が自腹」「子供をつくれない」「過労死が多い」「臭い」などなど。これではIT業界に学生が来たがるわけがない。

いい加減なシステム屋を見分ける7つのチェックポイント

 さて、今回の当社の失態は、推薦してくれた会社の言うことを鵜呑みにして、サブシステム構築を「丸投げ」したことにある。当社も、やるべきことを行っていなかった。そのことについては赤面の思いであるが、「それにしても・・・」と言いたくなる。

 そこで、読者の皆さんが同じ失敗をしないように、いい加減なシステム屋の見分け方を考えてみた。