「新・地方自治論」の記事も今年最後の記事となりました。このコラムをお読みいただきました皆様。ありがとうございました。来年が良い年になりますよう、祈念しております。来年は、私は福岡の大学で教えるチャンスをいただけることとなりそうです。これまで以上に、皆さんに地域や自治体の実情と改革案をお伝えしていければと思います。
さて、この1年、地方自治にとって大きな出来事のあった年でした。まずは、3月11日の大地震。被災した東北地方は言うまでもなく、多くの自治体に、災害などの緊急事態に対する意識の変化を迫りました。
今まで「地震対応」といっても多くの自治体は毎年の避難訓練などを淡々と行うだけでしたが、これではいけないという意識が芽生えました。
もう1つの意識の変化は、災害で被害を受けた時に、ダメージをどのように少なくして自治体の業務を再開できるかという問題です。
多くの自治体の非常用電源は役所の地下にあります。戸籍や税などITシステムのデータベースも、市役所の中のサーバーに置いてある自治体がたくさんあります。コストはかかりますが、より安全なところに移したり、データを複数の場所に保存したりするなどの対策を検討した自治体もあります。
ただ少し気になるのは、この教訓が早くも風化している気配があることです。なかなか、予算は厳しいものがあります。特に西日本は、大地震と福島第一原発事故の影響をほとんど受けていません。来年度、今述べたような対策についてどの程度の予算額がついているか、その実態調査を注視していかなくてはなりません。
実行してくれるリーダーだからブレーンは離れない
3月11日の地震以上に地方自治に大きな影響をもたらしそうなのが、橋下徹・新大阪市長の誕生です。県庁所在地の市長と知事はたいてい仲が悪いのが定番ですが、大阪の場合は、市長と知事が同じ政策でコンビを組んで戦い、勝利しました。
まず、橋下市長の特徴ですが、非常に優れたブレーンがついていて、その人たちが離れていきません。
大阪府知事時代の橋下氏のブレーンの一部を挙げると以下の通りです。