『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』
書店でタイトルを目にした時、思わず唸ってしまった。
こともあろうに「経営の神様」とも称されるあのピーター・ドラッカーと、高校野球の女子マネージャーを組み合わせてしまうとは。一線を越えてしまったかのような、あまりにも型破りで大胆な発想に唖然とし、感服したのである。
なぜ、女子高生がドラッカーを読むことになるのか。読んで何をするのか。そして、一体何が起きるのか・・・。
頭の中に「謎」が次々と浮かび、アニメ風の表紙にちょっと気恥ずかしい思いをしながら、思わず手に取ってレジに向かった。そういう人は、おそらく私だけではないはずだ。
浮かび上がるドラッカーの偉大さ
小説仕立ての経営ノウハウ書は世の中に数多くある。例えば、『ザ・ゴール』(エリヤフ・ゴールドラット著)、『餃子屋と高級フレンチでは、どちらが儲かるか?』(林總著)などのベストセラーが有名だ。
『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』(岩崎夏海著、ダイヤモンド社、1600円、税別)本書も確かに小説仕立ての経営ノウハウ書なのだが、他の類書とは大きく異なる点がある。それは、著者の岩崎夏海氏が経営学者でもコンサルタントでもなく、エンターテインメント畑の出身であるということだ。
学生時代から「エンターテインメントをやりたい」と熱望していた岩崎氏は、大学を卒業して、作詞家、音楽プロデューサーの秋元康氏の事務所に就職。放送作家としてテレビのバラエティー番組を数多く手掛けた。また、アイドルグループ「AKB48」のプロデュースにも携わった経験を持つ。
岩崎氏は根っからエンターテインメントの追求者であり、そういう意味で本書は「エンターテインメント小説を装った経営ノウハウ書」ではなく、「経営ノウハウ書を装ったエンターテインメント小説」なのである。
そもそも、ドラッカーと女子高生を組み合わせる発想がエンターテインメントそのものだし、元放送作家だけあって、「この先どうなるのか」と思わせながら一気に読ませるストーリー作りもツボを心得ている。
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