「〇△が中国に大型拠点創設へ」「インド需要向けに新工場建設」──。
不況が長期化する日米欧の先進諸国を尻目に、中国やインドなど新興国の経済成長が続いている。主要な新聞やテレビ報道に目を向けると、日本の大企業が新興国市場に積極的に打って出るとの前向きな見出しが躍る。実際、いち早く中国市場に注目していた日産自動車は、同国での販売好調が業績全般を牽引した。
他にも建機やインフラ分野で、中国・インド市場に乗り出して高収益を叩き出した日本企業は多い。新興国市場が日本企業にとって新たな収益源となっていくのは間違いない。
だが、新興国市場には意外な落とし穴も存在する。最先端技術の動向を絡めて、その落とし穴を分析してみよう。
「こんな高い商品を新興国で誰が買うのか」
「クルマも電機も日系の大メーカーは大きな誤解をしている。新興国でコケるのが目に見えている日系企業のEV事業に一切関わるつもりはない」・・・。
数カ月前、ある電機部品メーカーのトップが、アナリストミーティング終了後の「囲み取材」の場で、こんなことを言い放った。
このトップが言うEVとは、ハイブリッド車(HV)と並んで次世代自動車の代表格とされる電気自動車(EV)に他ならない。世界的なエコ意識の高まりとともに、クルマや電機メーカーにとってEVの開発と普及は至上命題の1つと言っても過言ではない。先進国市場のみならず、新興国市場においても、その新技術が主力になっていくのは間違いない。
実際、クルマの次世代動力を巡って、自動車・電機メーカー各社が積極的に提携している。「トヨタ自動車/パナソニック・三洋電機」「日産自動車/NEC」「ホンダ/ジーエス・ユアサ」の他にも、リチウムイオン電池でシェアの高いソニーも参入方針を明らかにしている。「主要メーカーの新たな収益源」(証券ディーラー)と期待する向きが多い。
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