12月10日から12日までの3日間、東京ビッグサイトで開催された「地域食とものづくり総合展」では、こだわりを持った地域食の逸品が数多く並んだ。

 その中で、特に私が興味を持ったブースがある。それは、「水沢茶農業協同組合」(三重県四日市市)のブース。水出しで淹(い)れたお茶「SUI-CHA」をシャンパングラスに注ぎ、試飲をさせてくれていた。

「地域食とものづくり総合展」での「SUI-CHA」試飲コーナー
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 一杯いただいてみると、「お茶ってこんなに綺麗だったのか」と思うほどの鮮やかな緑色が、シャンパングラスと妙にマッチしている。グラスを口元に近づけると、まろやかな香りが漂い、口に含むと旨みと甘みが一気に広がってきた。思わず、「このお茶、本当にお水だけで淹れたんですか!?」と聞いている私がいた。

 ペットボトルの普及で、冷たい緑茶はごく一般的なものとなった。種類もいろいろあり、メーカーも味の工夫をしている。でも、残念ながらペットボトルの冷茶を「おいしい!」と思って飲んだことはあまりない。

 自宅用の水出しポットも市販されているが、お茶というのは「お湯で淹れるもの」という先入観が先に立ってしまい、試したことがなかった。

 その思い込みは、水沢茶農協のブースで見事に覆された。急須で淹れた冷茶を次から次へと展示会来場者に振る舞っている。こんな簡単においしいお茶が飲めるのかと、思わず見入ってしまった。

旨みと甘みの秘密は茶畑にかぶせる黒いネット

 水沢茶農協が、水出しで来場者に振る舞っていたお茶は「伊勢本かぶせ茶」。三重県北部の山々に囲まれた標高300メートルの高地に広がる茶畑で栽培されているお茶だ。

 最大の特徴は収穫前の一定期間、茶畑に黒いネットをすっぽりとかぶせ、日光を遮断してしまうことにあるそうだ。