こりゃ久しぶりに驚いた。習近平国家副主席の訪日は、1つの例外を除き、無事日程を終えた。日本側報道は今も「皇室の政治利用」という内政問題に終始している。訪日中の習副主席の発言内容を詳しく覚えている日本人などほとんどいないのではないか。
近年まれに見る、中国要人訪日の失敗
都内・皇居で、中国の習近平国家副主席(左)と握手される天皇陛下(2009年12月15日)〔AFPBB News〕
日中関係も中日関係も、その9割は内政だ。政治局常務委員クラスの訪日ともなれば、その失敗は中国の内政上問題となり得る。だから、この種の訪問ではあまり冒険はできない。むしろ、日程が何事もなく、予定通り、スムーズにいけば「大成功」となる。
江沢民元主席が訪日して以降、今回ほどギクシャクした中国要人訪日はあまり覚えがない。習副主席に同行していた中国側随員の顔色も心なしか蒼ざめて見えた。こんなはずではなかった、というのが日中関係者双方の本音だろう。
何でこうなったのか。「日本側の事情」はおびただしい報道のおかげで大体分かったが、中国側は「日本政府に聞いてくれ」の一点張りで、あとは黙して語らないそうだ。恐らく、中国関係者がこの点につき詳しい説明を行うことはないだろう。
そうであれば仕方がない。
勝手ながら今回は、「大成功」に終わるはずだった中国国家副主席訪日に「ケチ」がついた「中国側の事情」を解き明かしてみたいと思う。もちろん、犯人探しが目的ではない。日中関係を健全に保つためにも、こうした醜態は二度と繰り返してほしくないからだ。
事実関係のチェック
関係者がメディアに真実を語っているとすれば、事実関係は概ね次の通りとなる。
11月4日 : 外務省、習副主席の年内訪日に向け調整に入る
11月15日: 文書による正式申請の期限到来(具体的申請なし)
11月19日: 中国側より、外務省へ「内政上の理由で遅れたが、12月14日に来日」との非公式連絡、外務省、宮内庁に非公式に打診
11月20日: 中国外相、鳩山首相に協力を要請
11月26日: 外務省、宮内庁に会見を打診
11月27日: 宮内庁、外務省に拒否を回答
11月30日: 外務省、中国側に「会見は無理」と正式に連絡
12月7日 : 鳩山首相の指示を受け官房長官、宮内庁長官に要請
12月10日: 官房長官、宮内庁長官に再要請
12月11日: 日本政府、会見実施を発表
まず誰もが考える疑問は中国側が「1カ月前」ルールを承知していたかどうかだ。
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