普天間のチャンスに、焦り傷ついた中国

習近平副主席訪日の裏事情~「中国株式会社の研究」~その38

2009.12.18(Fri) 宮家 邦彦

中国

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 習副主席本人がそう考えなくても、彼の側近、自薦他薦の側近候補、そのまた取り巻き共産党官僚が習近平本人以上にそう考えた可能性は十分あろう。なぜなら、これら「取り巻き」にとって習近平訪日の評価は自分自身の政治的評価に直結するからだ。

日中関係は内政問題

沖縄で普天間県内移設反対の県民大会、米大統領来日を前に

ギクシャクする普天間問題を見て訪日を決めた?(写真は普天間飛行場から飛び立とうとする輸送機)〔AFPBB News

 繰り返しになるが、日中関係の90%は日中双方にとって内政問題だ。習近平国家副主席の取り巻きたちが強力な「政治の達人」であればあるほど、日本の「国家元首」との会見の成否に異常なほど敏感になったに違いないのである。

 そうでなければ、宮内庁が会見に「応じかねる」と回答して以来、中国側関係者が日本側政治家に対し与野党を問わず「なりふり構わぬ」働きかけを繰り返した理由は説明できない。

 一部日本側関係者には、それが中国側の「傲慢さ」「高圧的態度」と映ったかもしれないが、中国側は「そんな意図などなかった」と言うだろう。中国では当たり前の「政治判断」を日本側にも求めたに過ぎないと思っているからだ。

 元はと言えば、習近平副主席の訪日日程確定が遅れたのも、中国らしくない準備不足が原因ではないのか。

 急遽訪日が浮上した理由は、普天間問題を巡り日米関係がギクシャクするのを絶好のチャンスと見たからではないのか。やはり「1カ月」ルール破りの第一の非は中国側にあるような気がする。

 「日本側の事情」を検証することは本稿の目的ではないが、それにしても、日本側政治レベルの対応はちょっとお粗末だった。「政治主導」を掲げるのであれば、日本の政治家たちがその力量を発揮し、日本国内の「1カ月」ルールを守りつつ、中国側の内政上の所要を満たす「政治的解決」を堂々と模索してほしかった。

 結果的には、「皇室の政治利用」問題ばかりに焦点が当たり、日中双方ともに傷ついてしまった。こうしたことこそ、「二度と繰り返してほしくない」と思う。
 

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