今年6月、新規株式公開(IPO)の申請を行ったクーポン共同購入サイトのグルーポン(Groupon)だが、同社はここ最近トラブルが続いており、IPOはしばらく遠のく可能性が出てきたと報じられている。

評価額に影響を及ぼしかねない状況に

グルーポンが株式上場を申請、最大600億円強を調達へ

グルーポンのサイト〔AFPBB News

 グルーポンはIPOに際して、米証券取引委員会(SEC)から会計報告書の審査を受けているが、このほど、売上高の計上方法についてSECから指摘され会計方法を変更した。

 9月23日に提出したIPO申請書(FORM S-1)の修正版によると、同社はこれまでクーポン代金の総額を売上高としてきたが、今後はこれを見直し手数料だけを売り上げに計上することにした。

 すると、これまで7億1340万ドルとしていた2010年の売上高は3億1290万ドルになり、先の報告書の半分にも満たない数字になってしまった。

 グルーポンは、ソーシャルゲームの米ジンガやビジネス向けSNSの米リンクトインなど、ここのところ注目されていた新興企業の中でも売り上げ規模が大きくその将来性が期待されていたが、今回の会計方法の変更による規模の縮小は同社の評価額に影響を及ぼしかねないと懸念が広がっている。

幹部が就任から5カ月で退任

 グルーポンのトラブルはこれだけにとどまらない。このニュースが大きく報じられたのと同じタイミングで同社は、最高執行責任者(COO)を務めていた同社ナンバー2のマーゴ・ジョージアディス氏が辞任し、元の職場である米グーグルに戻ったと発表した。

 同氏はCOOに就任してからわずか5カ月でグルーポンを去ることになった。また同社では前任のCOOもわずか2カ月で去ったと伝えられている。

 グルーポン創業者のアンドリュー・メイソン最高経営責任者(CEO)はこれについて「我々は非常に有能なチームを構築しており、事業運営への影響はない」と説明している。