成人年齢が18歳に引き下げへ――。1世紀以上にわたる日本人の慣習で、社会生活の隅々まで影響している「20歳成人」が変わり、「18歳成人」社会に踏み出そうとしています。民法が規定している成人年齢について、法務大臣の諮問機関「法制審議会(法制審)」が1年半審議し、さる10月28日、「18歳への引き下げ」を法相に答申したのです。

一向に盛り上がらない世の中の反応

 法制審の答申は、基本法制に関して政府が重きを置く「参考」意見で、これまでの法制審の位置づけから言えば、「今回の答申で、18歳成人が、実現するのはほぼ決まった」(法務省関係者)ということなのです。

 ただ、その割には、世の中の反応は一向に盛り上がっていません。

 答申が、実施時期について「国会の判断に委ねる」としたこともあるでしょう。国会にしても、当初は引き下げに前向きだった民主党が、ここにきて “及び腰” になっているようです。もちろん、「来年から実施」といったことはありませんが、2年後なのか5年後か、と大体のメドも分からなくては、「本当に18歳成人になるの?」と、疑いたくもなります。

 まあ、さだまさしの「関白宣言」になぞらえれば、

 ♪成人年齢は18歳に下がる、たぶん下がると思う、下がるんじゃないかな、ま、ちょっと覚悟はしておけ♪

 というところでしょうか。

110年間続いてきた20歳成人制度

 では、一般市民はどう、その「覚悟」をしておけばいいのか。その前に、せっかくですから、成人年齢について、少し基礎知識を。

 そもそも「20歳で成人」は、1876(明治9)年の太政官布告から。それまではもちろん江戸時代の「元服」、つまり15歳で「大人」とされていたわけです。民法で正式に「満20年ヲ以テ成年トス」とされたのは1896年制定、98年施行のものが最初で、そこからでも110年を超え、根づいてきた制度になります。

 「20歳」となった理由については、海外の状況も意識したようです。現在は世界の約7割の国・地域で成人年齢を18歳(16~17歳含む)に設定しています。しかし、日本で「20歳で成人」とした当時、欧米は21~25歳でした。