今年7月30日の朝刊によると全国の4年制私立大学の4割が、この春定員割れを起こしたという。「大学全入」どころか、全入させても定員に達しないのだ。昨年は学生募集を中止した(つまり4年後廃校になる)大学が5校あったが、今年は報道がない。
定員割れした大学の先は見えている。授業料収入と文科省補助金の減少による財政悪化、その結果として、運転資金の借り入れ増大、負債過多による倒産あるいはマンモス大学への吸収合併だろう。
医学・歯学系でも私学の歯学部は全17校中11学部が定員割れを起こしている。少子化のせいというより、同期に医学部に進んだ場合と比べると開業時年収が4割低いという経済格差が原因だ。
歯科医の2割は年収200万円以下
「日経メディカル」によると歯科医の2割は年収200万円以下の「ワーキングプア」だという。歯科大学の淘汰も進むだろう。
二流どころの公立大学も似たり寄ったりの運命にある。なかでもおかしなのが、横浜市立大学。
ここは学長と理事長がおり、学長よりも理事長が実権を持っている。昨年12月初め医学部神経内科の黒岩義之教授が友人たちと会食した際、次期理事長について意見を述べたという理由で、今年の1月に学長と理事長に呼び出され医学部長辞任を迫られた。
拒否すると2月に再び同様に迫られ、再度拒否すると4月7日付で「解任通知」を送付され、地位保全を求めて裁判となった。
結局これは黒岩教授が折れて、7月31日付で「医学部長辞任」ということで、両者の和解が成立した。
黒岩教授は昨年5月から「全国医学部長病院長会議」の会長を務めており、並み居る国立大学や大手私大を差し置いてこのポジションに就いたということは、常識では横浜市立大の誇りであろう。医学部長辞任は会長辞任を意味する。
ところがである。この医学部では、2月の期末試験の際に、別の(基礎系?)教授が試験会場で、2年生のある男子学生を名指しで、「お前はストーカーだ」などと侮辱する言辞を吐いた。
のちほど教授室を訪れた学生に対して、土下座を強要し、その頭を靴で踏みにじった。これも学生が裁判を起こし、330万円の慰謝料を要求している。