3年前の2006年、北海道夕張市が財政破綻したことは、皆さんの記憶に新しいことと思います。最近はマスコミで報道されることもほとんどなくなってしまいましたが、今、この町はどうなっているのでしょうか。
実は、人口は相変わらず着実に減少し続けています。
1960年には約10万人の人が住んでいたこの町ですが、2005年に1万3000人まで減っていました。そして、今年の初めには1万1740人。今年になっても毎月減少が続き、8月末の時点では1万1488人です。働く場所のない30代、40代を中心として流出が続いていると言われています。
では、将来、一体どこまで人口が減るのでしょうか?
以下の表は、国立社会保障・人口問題研究所が発表しているデータを基に私が作成した表です。夕張市の人口が2035年までどのように推移するかを示しています。人口は25年後の2035年には約5000人、そして、別の長期推計では2050年頃には2000人を切っていると予想されているのです。
実は高齢者も減少している
夕張市の高齢化率(65歳以上人口を市の総人口で割ったもの)は40%を超えていて、大変だ、大変だと言われていますが、高齢者の「人数」で見ると別の姿が見えてきます。
夕張では、65歳以上人口はすでに減少に転じているのです。75歳以上人口の推移を見ても、2015年をピークに減少に転じます。高齢化率だけ見ていると、このことは見落とされます。
増え続けるお年寄りをどうするかという問題ではなく、20歳から65歳までの働く世代が減り続けるので、お年寄りを地域社会で支えていけるのだろうかということが大きな問題なのです。