なでしこジャパンの世界一に日本列島が沸いた。アメリカとの決勝の朝、明るい話題に飢えていた日本の国民は老若男女問わずテレビの前で歓喜に浸った。
僕もそんな1人だった。ただ、日頃はスポーツといえばプロ野球か大相撲にしか興味のない僕はお恥ずかしながらごく最近まで女子サッカーのワールドカップが開催されていることさえ知らなかった。
あれよあれよと勝ち進むうちに報道が加熱して何となく意識の片隅に入ってきつつはあったのだけれど、彼女らの快進撃をはっきりと意識したのは決勝進出が一般ニュースのトップを飾ってからのことだ。
そもそも僕はなでしこジャパンのメンバーなんてほとんど知らなかった。顔と名前が結びついたのはエースの澤穂希ぐらいだろう。それが決勝の朝には、やれ「川澄いけ!」だの「海堀とめろ!」だの「岩清水ナイスクリア!」だの大騒ぎしながら観戦していたのだから我ながら呆れる。
こういうのを「にわか○○」という。
分かりやすい例が五輪の時になると出没する「にわか通」。女子カーリングが初めて脚光を浴びたトリノ五輪はまだ記憶に新しい。これまでそんな競技の存在すら知らなかった人々が、盛り上がる報道に煽られて「にわか通」になった。
「あれさ、マリリンならぜったいダブルテイクアウトできたよね」などと拾い読みした専門用語を訳知り顔で並べ立てては、今風に言うなら「ドヤ顔」で講釈してみせる。そんな人が周囲にいなかったか。
僕もたぶん原発「擁護派」だった
「にわか通」といえば、プロアマ含めて最近とみに増えているのが「にわか原発通」。