「未来は私たちにある。最高のリーダー教育を自国に持っているので、世界で戦えるインド人が育っているからだ。欧米のトップビジネススクールと1位も競えるし、エマージング諸国のビジネスに関わる世界トップビジネススクールも狙えるのが私たちインドのビジネススクールだ」
2011年1月31日付英フィナンシャル・タイムズ(FT)紙。
この自信に満ちた言葉は、大国インドの Indian School of Business(ISB)のトップ Ajit Rngnekar のもの。
リーダー教育の先進国となったインド
大言壮語でしょうか?
いいえ。インドはすでにリーダー教育先進国なのです。
FT紙は毎年世界のMBAランキングを発表。卒業後の年収や、卒業生の満足度、卒業生が世界で活躍している割合などでランキングが出されています。
冒頭のコメントをした Ajit Rangnekar をトップとするインドのビジネススクールISBは、すでに世界の13位にランク。米国を代表するビジネススクールであるニューヨーク大学14位、イエール大学が15位なので、その上に位置するすごさなのです。
インドの場合、大学進学率はいまだ12%程度、MBAまで行けるのはその一部です。つまりは、国全体としての教育環境はお世辞にもいいものとは言えない。
その環境下でこういった快挙が成し遂げられるのは、インド系財界のリーダー教育観です。彼らは、世界最高のリーダー教育をインド人エリートに対して行うことがインドの未来に大きく貢献すると考え、世界標準のビジネススクールを官民総動員して作りました。
官民上げて世界トップのビジネススクールを構築していることは、この2011年7月4日の卒業式の主賓としてインド大統領がスピーチしていることからも分かります。
インドでは、インド工科大学(The Indian Institutes of Management and Technology)のエリート度が世界的にも有名です。インド工科大学の合格率はインド人受験生のわずか0.05%。すさまじい狭き門。
そして、インド工科大学を卒業し、海外に渡り経験を積んだ一握りが将来のインドを支えるリーダーを目指して祖国に帰り、ISBに入学をしていくのです。