ゴールデンウイーク間、正味2日間のボランティア活動に参加する機会を得た。某旅行会社が現地ボランティアセンターと提携したツアータイプのものである。
東日本大震災のボランティア活動に参加して
企画内容は、往復夜行バスを利用、現地の旅館に1泊してボランティア活動に当たるというものであり、被災者、ボランティア、旅行会社、バス会社、旅館それぞれが恩恵を受ける一石五鳥で、参加料金も2万円弱の優れモノ企画である。
四十数人の応募人員は応募直後に満杯となるほどで、国民のボランティア意識の高さが伺える。筆者は、運良く参加が叶い出発地に赴くと、他の参加者はほとんど20代、30代で、しかも半数は女性である。期せずして、長老的存在となったことを少なからず後悔したが、元自衛官の身分は伏せた。
ともあれ、派遣先である岩手県大槌町に向かった。奇しくもこの町は、ちょうど10年前の平成13(2001)年5月、山林火災において約1週間空中消火の指揮にあたった場所であり、筆者にとっては、災害派遣の初陣とも言える場所である。
10年前の穏やかな港町は、この度の震災により町長の災害死をはじめ甚大な被害に遭い、一変廃墟の町と化していた。そして、被災後2カ月が経過しようとするその時点では、いまだ手付かずの場所が随所にあった。
若者たちの奮闘ぶり
まず、参加した若者たちの様子である。そのほとんどが、ボランティア活動は初めての体験である。小耳をそばだてながら彼らの動機を伺うに、大きく2つのものがあると感じた。
1つは、この大震災による被災者のために何がしかのお役に立ちたいという純真な思い。いま一つは、国難とも言える歴史的な事態に直面して、共通の場に自分の身を置きたい、すなわち「自分自身のため」というものである。
彼らは、「被災者のため」あるいは「自分のため」という共通意識を持って、普段は触ったこともない瓦礫やヘドロ、果てはウジ虫がわいて悪臭を放つ魚の死骸の処理などを厭わず、しかも明るく連携してこなしていく。
特に驚いたのは、約半数の女性参加者である。彼女らも男性と同じ作業内容をむしろ率先して行っていた。
新世代の若者は、忍耐力がないと巷間言われるが、目的・目標が明確であり自分の意志で行うものに対しては、どんなに苦しいことであっても悲壮感なくやれるのが特徴的傾向である。
彼らの行動の拠り所は何か。