中小企業庁が地域資源活性化プログラムの一環として、「地域資源活用売れる商品づくり支援事業」を行っています。2009年2月に平成21年度の事業公募が行われたのですが、5カ月経って、ようやく、ホントにようやく事業の採択が始まりました。

 この事業は、地域資源を活用した地域の中小企業の活性化の「切り札」として登場したもの。3年前に、第1号認定企業が認定(1期生)されました。その後、続々と認定企業が増え続けて、今回が5期生になります。最大5年間にわたって継続できる事業です。

 しかし、この認定方法と採択内容には、首を傾げたくなるような疑問がいっぱいあるのです。ざっと疑問点を並べると以下のようになります。

採択に5カ月もかかるうえ、継続的な商品開発は除外?

 まず、申請を受け付けてから採択が始まるまでが約5カ月。「速やかに事業開始できるよう採択する」と関係省庁から聞こえてきましたが、ぜんぜん速やかじゃない。

 申請の受け付けを開始したのは前年度のことであり、予算確定するまで執行できないという事情は分からないでもありません。しかし、採択を心待ちにしている中小企業にとってはたまりません。

 申請時には、「補助金交付申請書」を当局に提出します。当局は、この申請書を基に内容、積算根拠を確認します。内容確認が済んだ申請書から内部手続きに入り、順次「交付決定通知」を発行、1件につき最大3000万円の補助金を支給するという流れです。

 つまり、申請内容が特に問題なければ、6月下旬から7月上旬にかけてようやく申請が通って、事業開始となるのです。いやぁ、省庁のルールに不慣れな事業者にとっては、意欲を失うほどの気長さ。

 このスケジュールに全国で不満の声が出ているのも当然です。例えば最大の需要期である夏休みに向けて、7月から新商品の開発なんて間に合うはずがない。しかも、開始が遅くなったとしても、事業の終了時期は決められています。翌年の2月で終了となるのですが、それまでには、もう半年しか残っていません。半年で売れる商品づくりができるなんて、まずあり得ない。

 ちなみに、この事業は、認定を受けると最大5年間の支援が受けられるという「継続性」をうたい文句にしています。これは非常に大きな魅力です。ところが、実際に事業認定を受けた瞬間に、「補助金は単年度主義です」と手のひらを返す。

 どういうことかと言うと、毎年毎年、支援はいったん終了してしまう。翌年新たに申請して、その申請が通れば翌年も支援を受けることができます。これを最大で5年回繰り返すことができるというわけです。全然「継続」なんかじゃない。