写真提供:共同通信社
「決算書」には経済ニュース以上の一次情報が詰まっており、業界の動向や企業のビジネスモデルを読みとく上で最適な情報源だ。では、その膨大なデータから知りたい情報を効率的に引き出すには、どうすれば良いのか。『7つのステップでビジネスモデルを可視化する決算分析の技術』(妄想する決算・著/フォレスト出版)から、内容の一部を抜粋・再編集。決算書の“解像度”を上げ、企業の本質を知るためのヒントを探る。
2021年に業績が大きく落ち込んだオリエンタルランドは、2024年、2025年と2年連続で過去最高益を更新。入園者数の減少をものともせず、V字回復を遂げた背景には、それを補って余りある巧みな戦略があった。
数字に出てこない 「積み上がり」に着目する
──オリエンタルランド
『7つのステップでビジネスモデルを可視化する決算分析の技術』(フォレスト出版)
■ 業績の推移を見てみる
まず売上高の推移を見ていくと、やはりコロナ禍では大きく業績を落としており、入場制限などもあった2021年3月期にはコロナ以前の3分の1ほどまで落ち込んでいます。
しかし、売上は回復傾向が続き、2024年3月期にはコロナ以前のピークであった2019年3月期を上回り、過去最高を達成しています。
利益面も同様に2021年3月期には大きな赤字となるほど苦戦していますが、それ以降は回復が続き、2024年3月期にはコロナ以前を上回る状況で過去最高益となりました。







