なぜ変革メンバーは4~5人がベストなのか?
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 どんなに優れた企業でも、環境変化に適応できなければ衰退は免れない。変化のスピードが増す現代では、組織はあっという間に古び、適応不全に陥ってしまう。その危機感こそが、多くの企業が変革に挑んできた理由だ。本連載では『なぜあの会社は、時代の変化に強いのか? 生き残る企業が持っている「変革の遺伝子」』(大池拓著/クロスメディア・パブリッシング)の一部を抜粋、再編集。著者が支援した400社の企業・組織で成果が実証された「実践的な組織改革の考え方」を紹介する。

 変革に取り組むメンバーをどう選ぶべきか? 推進役となる“ストリームメンバー”の決め方と、人選で起こりがちな失敗例について解説する。 

ストリームメンバーを決める

■ 課題との親和性の高さやメンバーのバランスを見つつ選ぶ

 ストリームリーダー(個別の変革活動や改善活動を牽引するリーダー。第2回記事参照)を立てたら、次にストリームメンバーを選定します。

 メンバーの向き不向きを考えるうえでは、主に「課題との親和性」と「姿勢」を見ます。各ストリームで取り組む課題や対象部門に精通しており、専門的な知見を共有できれば、活動での具体的な取り組み方や現場の状況も早い段階で見えてきます。

 ここでいう変革活動の対象部門とは、直接的に変革の手を加える該当部門だけではなく、活動によって影響を受ける関連部門も含まれます。これらの部門の関係者が変革活動に参加していれば、実行段階で当該部門が活動を受け入れやすくなるのです。

 また、実際に該当する現場で働いている人であれば、取り組み課題を実行する段階で、本人が実行責任を負う立場になることもできます。すると話が早く、現場でどんな弊害が起こりうるか、どんな作業手順を踏んでいるかなど、具体的な内容が見えやすくなります。

 さらに現場での実行に関わる重要人物とのパイプがあれば、チームで考案した施策を現場へ落とし込む際にも、反発を起こさずスムーズに進めることができます。