組織やリーダーの能力に合わせてハードルの高さを設定することで、 成長を促すmezzotint / Shutterstock.com
どんなに優れた企業でも、環境変化に適応できなければ衰退は免れない。変化のスピードが増す現代では、組織はあっという間に古び、適応不全に陥ってしまう。その危機感こそが、多くの企業が変革に挑んできた理由だ。本連載では『なぜあの会社は、時代の変化に強いのか? 生き残る企業が持っている「変革の遺伝子」』(大池拓著/クロスメディア・パブリッシング)の一部を抜粋、再編集。著者が支援した400社の企業・組織で成果が実証された「実践的な組織改革の考え方」を紹介する。
企業には多くの課題があるが、どこから着手すべきなのか? 優先順位、成果が上がりやすい課題の見極め方などについて解説する。
「適切な課題のサイズ」とは?
『なぜあの会社は、時代の変化に強いのか? 生き残る企業が持っている「変革の遺伝子」』(クロスメディア・パブリッシング)
課題を考えるときには、「自分の取り組みたい課題」ではなく、「企業として取り組むべき課題」を設定することが大切です。ただ、企業にはいくつもの課題があります。そのなかで、どの課題から取り組むべきなのか、優先順位をつけなければなりません。ここでは、そのときに注意すべきことを考えてみます。
優先順位を決めるうえで重要なのは、個別の取り組みの影響だけを考えるのではなく、変革活動を通してどれだけ変革の効果を最大化できるかを踏まえ、「全体設計」を考えることです。
全体設計に決まったルールはなく、企業・事業の状況や目指す目標によります。
基準のひとつは、「解決しやすい課題」から取り組むこと。最初に取り組む課題が大き過ぎては、解決が困難を極め、変革のゴールまでの時間も膨大にかかってしまいます。「食べられる大きさ(バイトサイズ)」に課題を設定することが大切なのです。
一方で、課題が小さ過ぎては、効果も小さくなってしまいます。
そのため、まず課題の大きさを評価し、適切なサイズの課題から取り組みます。適切なサイズは、組織が解決できそうか否かと同時に、ストリームリーダー(






