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どんなに優れた企業でも、環境変化に適応できなければ衰退は免れない。変化のスピードが増す現代では、組織はあっという間に古び、適応不全に陥ってしまう。その危機感こそが、多くの企業が変革に挑んできた理由だ。本連載では『なぜあの会社は、時代の変化に強いのか? 生き残る企業が持っている「変革の遺伝子」』(大池拓著/クロスメディア・パブリッシング)の一部を抜粋、再編集。著者が支援した400社の企業・組織で成果が実証された「実践的な組織改革の考え方」を紹介する。
企業変革には多様な人間が関わるが、中でも鍵を握るのは誰なのか? 変革を推進する3種のプレイヤーの役割と、成功に導く公式「Q×A=E」の意味に迫る。
変革活動のプレイヤー
『なぜあの会社は、時代の変化に強いのか? 生き残る企業が持っている「変革の遺伝子」』(クロスメディア・パブリッシング)
企業の変革には社長から現場社員まで、さまざまな人が関わります。
社長が変革の全責任を負うことは言うまでもありません。そのうえで、変革活動を動かすのは大きく3種のプレイヤー―― ①活動オーナー、②ストリームリーダー、③ストリームメンバー、です。
「ストリーム」とは、企業が取り組む変革活動全体ではなく、その流れのなかで個別具体的に取り組まれる施策のこと。企業全体の流れを本流としたときに、支流のような個別の取り組みをストリームと呼んでいます。たとえば、全社改革を行う際のストリームの一例として、営業生産性の向上、採用活動の強化、欠品の減少などが挙げられます。
これを踏まえて、各プレイヤーの定義を整理しましょう。
①活動オーナー …活動の最終責任者。変革全体を把握し、複数のストリームの進行を把握する。折に触れて各ストリームへのフィードバックや重要な意思決定をしつつ、変革全体の舵取りをする。滞っているストリームがあれば、支援するなどの役割を持つ。主に経営陣が担う。
②ストリームリーダー …個別の変革活動や改善活動を牽引するリーダー。企業が変革に取り組む際に、個別の活動の数だけストリームリーダーを立てる必要がある。役職者も含めた社員のなかから、相応しい人物を立てる。






