参謀に選ぶなら、ゼロから「絵」を描き上げた経験がある人が望ましい
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 劉備玄徳にとっての諸葛孔明、織田信長や豊臣秀吉にとっての黒田官兵衛――歴史上の傑出したリーダーの傍らにはいつも「参謀」がいた。現代のビジネスでも、優れた経営者ほど、他人の力を借りる大切さを知っている。本稿では『The参謀』(松本隆宏著/游藝舎)から内容の一部を抜粋・再編集。経営者を支える参謀の必要性を、さまざまな視点から説いてゆく。

 新規事業を立ち上げる際、経営者はどのような人材を取り込むべきか。チームビルディングにおける参謀の存在意義と資質を探る。

なぜ参謀はチームを作るのか

The参謀』(游藝舎)

 良いチームには、良い参謀がいる。

 これは古今東西の歴史を見ても明らかなことです。

 戦国時代を見ても、豊臣秀吉に仕えた黒田官兵衛や、上杉謙信に仕えた直江兼続、徳川家康に仕えた本多正信など、歴史で大きな業績を残した人々は、みな優れた参謀を従えています

 本書でも何度もお伝えしてきましたが、新たな物事を起こそうとしたら、他人の力を借りることが重要です。

 私がこの本を作るにしても、企画を推進する編集者がいて、文章を作成するライターがいて、本のデザインを作り上げるデザイナーがいます。また、現物の本にするためには印刷会社も必要ですし、みなさんの手元に届くまでには流通会社、そして書店が必要です。

 これらの仕事を一人ですべてやることは不可能です。

 大きなことを成し遂げたいと思うなら、優秀なチームを作ることが必須になります。ただ、プロジェクトを動かすうえでは、適切なプロフェッショナルをアテンドし、さらにはそのチームを引っ張っていく参謀が必要です。

 なぜ、チームビルディングに参謀の存在が欠かせないのか。それは、各プロフェッショナルたちの意見を交通整理する役割が重要になるからです。