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劉備玄徳にとっての諸葛孔明、織田信長や豊臣秀吉にとっての黒田官兵衛――歴史上の傑出したリーダーの傍らにはいつも「参謀」がいた。現代のビジネスでも、優れた経営者ほど、他人の力を借りる大切さを知っている。本稿では『The参謀』(松本隆宏著/游藝舎)から内容の一部を抜粋・再編集。経営者を支える参謀の必要性を、さまざまな視点から説いてゆく。
経営で悩んだとき、「先代にアドバイスを仰ぐ」「周囲の取締役や顧問に相談する」だけではなぜ行き詰まるのか? 組織外に参謀を置くメリットについて考える。
困ったときの相談相手を間違えるな
『The参謀』(游藝舎)
経営の判断に迷ったとき、あなたが相談し、意見を聞く相手は誰でしょうか。家族、配偶者、友達、社員、税理士…?
こんな質問を投げかけたとき、「妻に話を聞いてみる」「社員に相談してみる」などとおっしゃる経営者の方も少なくありません。
ビジネスの鉄則ですが、自分が前に進みたいのならば、自分の前を歩いている人に道を聞くべきです。しかし、多くの人は家族や社員といった自分の横、あるいは自分の後ろを歩いている人に相談してしまいます。当たり前のことですが、相談相手が違えば、導かれる結果も大きく変わってしまいます。
一方、2代目、3代目の経営者の方に多いのが、「困ったときは親からアドバイスをもらう」というものです。親御さんが先代経営者である場合は、ノウハウを聞く手もあるでしょう。
ただ、親子の間で「教える・教えられる」の関係が成り立つかというと、私は甚だ疑問です。
なぜなら、そこには「親子だからこそ」の難しさが付きまとうからです。






